ナッシュのお弁当の大きさを調べてみました。

ナッシュのお弁当の大きさを調べてみました。
どれぐらいのナッシュに数が冷凍庫に入るかといえば10個でした。
つまり、このお弁当は20個のはずです。
「あー……」
「どった?」
「いえ、なんでもありません」
どうやらわたしたちは勘違いをしていたようです。
「なんだよ」
「いいえなんでも」
この弁当が『ナッシュ弁当』である可能性は限りなく低そうですね。
まぁそんなことは最初からわかっていましたけどね? さてそうなると、問題は中身です。
「開けますよ……」
蓋を持ち上げてみると、そこには──
「おお! これは!」「肉じゃがだ!!」
ほくほくと湯気をあげる肉じゃががありました。
「いやー、うまそうだなぁ!」
「うん……おいしそう……」
お腹の虫がぐるるる?っと鳴り始めます。「では……」「いただきまーす!」
ふたり同時に箸を取り、一口。
「うわぁ美味しいぃ!」
それはまさに家庭的な味というべきでしょうか。
出汁の染みた野菜が口の中でほろりと崩れ、お米にもよく合います。そしてメインの肉じゃがもしっかりと存在を主張しており、じゃがいもの甘さと豚肉の脂身からくる旨みが舌の上で絡み合って溶けていくのです。
「これだよなぁ?」
先輩はしみじみと言いながらどんどん食べていきます。
「あの……先輩」「ん?」
「ひとつ質問があるんですが」
「なんだ? 言ってみろよ」
「その弁当箱って……なんですか?」
先輩はふと顔を上げ、「ああ、それな」と呟きました。
「実はさっき気づいたんだけど、この弁当箱、俺のじゃないんだよね」
「はい……え?」
「ほらここ、名前書いてあるだろ?」
「あ、ほんとですね」
先輩の名前は書いてありますが、確かにもうひとりの名前らしきものは見当たりません。
「おかしいなと思ってたんだよ。

 

ナッシュのお弁当は美味しいと評判です。
冷凍弁当のナッシュですが、冷凍とは思えないほどの料理が電子レンジで加熱するだけで食べられます。「お兄ちゃん……それ、なに?」
「冷凍弁当」
「いやそうじゃなくてさ、その容器に入ったご飯ってなんなの? どう見ても手作りっぽいんだけど」
「それはお湯を注ぐだけで食べられるパスタだね。お手軽だよ」「お兄ちゃん、もしかしていつもそれで済ませてるの?」
「うん。楽だからね」
「そんな食生活してたら栄養偏っちゃうよ!」
「大丈夫、僕はこの通り健康体だからね」
「そういう問題じゃないから! 私、お弁当作ってくる!」
それからというもの……妹は毎朝早起きをして僕の分とお昼用のお弁当を作ってくれるようになりました。もちろん彼女の負担にならないよう自分の分は自分のお金で購入しています。
妹のお弁当のおかげで僕も少しだけまともな食事をするようになりました。そして今日もまた、僕の弁当箱には彼女の愛情がたっぷり詰まっているのです。
「あれ? なんか今日ちょっと豪華じゃないか?」
「えへへ?気づいちゃったかぁ?」
「なんだこれ……卵焼きがハートマークになってるぞ!??」「頑張ったんだもん……」
「こっちはウィンナーがタコさんになっているし、これは……唐揚げか!??」
「味見したけど美味しかったよ!」
「こんな手の込んだものを一体いつの間に……。ありがとうな、すごく嬉しいよ」「よかったぁ……喜んでくれて」
彼女が嬉しそうならそれでいいかなと思いました。
ちなみに翌日、弁当箱を開けると中に入っていたのは白米の上に梅干しを乗せただけのものでした。
やっぱり妹はまだ高校生なのだと思います。
「ねえ聞いてよお兄ちゃん!昨日さあ、またあの子が家に来たんだよ!」
リビングでくつろいでいると、突然やってきた妹が不機嫌そうな顔でまくしたててきました。
彼女は僕の二つ年下の妹で、名を『妹子』といいます。名前負けしないくらい可愛い女の子なのですが、なぜか男の名前をつけた両親に対して強い憤りを感じています。
「もう本当に嫌になっちゃう! お兄ちゃんからもなんとか言ってやってよ!」
「えぇーっと……なんの話だったっけ?」
「ほら、例のストーカーのことだってば! 最近全然現れなくなったと思ったら急に現れるようになってさ! それも家の前とか私の通学路とか待ち伏せされるようになっちゃってさ!」
「ああ、その話ね」
確かにここ数日、我が家に不審者が現れるという事件が頻発していました。
最初は僕たちも戸惑っていたものの、最近は慣れてきたのかあまり警戒をしなくなっていましたが……どうやら犯人は諦めていなかったようで。
「私怖くて学校にも行けなくなっちゃったんだよ! どうしてくれんのさ!」